僕は協調的な人間だ。だから、スター選手の引退試合で、そのスター選手の打席が満塁で回ってきた時には、恐らく僕は緩い球を投げてしまうのだろうと思う。

相手は20年も日本の野球界を背負ってきたような人間だ。たくさんの希望を人々に与えてきた。そんな相手の最後を美しく飾ってやりたいではないか。当然、満塁で長打を打たれたら、僕の記録は傷つく。しかし、彼が最後に与えられる夢に比べたらちっぽけなものだ。

もちろんノーヒットノーラン達成まであと一打者という投手を前にしても、ヒットを打てるわけはない。大きな三振で偉業を彩ってやろうではないか。